MkXTBWikiplexusのインストール

ここでは、XTBook用のWikipediaデータ変換ソフト、
MkXTBWikiplexusのインストール方法を紹介します。
※Windows環境を前提に説明していきます。(Linux向けはコチラ

はじめに

XTBook用のWikipediaデータ変換ソフトであるMkXTBWikiplexusは、
Linux上で動作することを前提としているため、
Windowsではそのまま実行することができません。

そこで、Windows用のLinuxラッパーであるCygwinを利用します。
また、MkXTBWikiplexusでは記事タイトルの読みを取得するために、
Linux用のソフトウェアであるMeCabKAKASIを利用しているため、
それらもインストールします。

※インストール作業にはインターネット環境が必要です。

1.MkXTBWikiplexusのダウンロード

XTBookの公式ページから「MkXTBWikiplexus-R3.tar.gz」をダウンロードします。
ダウンロードしたものはLhaplusやExplzhなどでCドライブ直下に解凍してください(今後はそれを前提に話を進めていきます)。
すると、Cドライブ直下に「MkXTBWikiplexus」というフォルダができているはずです。



2.Cygwinのインストール

Cygwinの公式サイトにアクセスし、「Current Cygwin DLL Version」のところから
「setup-x86.exe」をダウンロードして、実行します。
※「setup-x86_64.exe」(64bit版)は不具合が発生する可能性があるので
 使わないでください!


下の画像に従ってインストールを進めていきます。


そして、下のような画面になったらインストールするパッケージを選択します。
※パッケージとはLinuxで採用されているソフトウェアの配布形式と、その形式にのっとったソフトウェアのことです。


それでは、今回必要なパッケージのひとつであるgit-svnを選択するために、
検索ボックスに「git」と入れてみましょう。

…遅いですよね。
一文字入れるたびに検索処理を行うという不出来な仕様のために、
一文字入れるたびに数秒またされます。

Cygwinではパッケージのインストールを行うには
このプログラムを使わなければならないのですが、
今回必要な十数個のパッケージをすべてこれでインストールするのは面倒です。

実は、apt-cygという、パッケージをCygwin実行中に追加するソフトもあるのですが、
それを使うにはまず「git-svn」と「wget」というパッケージが必要なので、
ここではその2つだけをインストールすることにします。

↑git-svnとwgetの選択

パッケージが選択できたら、次へをクリックします。


この画面になったら次へをクリックし、インストールを開始します。
インストールが完了するまでには時間がかかります。



3.Cygwinのパッケージのインストール

Cygwinのインストールが完了したら、
Cygwin Terminal(C:\cygwin\bin\mintty.exe)を管理者権限で実行します。

そうすると、黒いコンソールが出てきますので、以下のコマンドを実行します。

※コマンドの先頭にある「$」は入力しません。

$ svn --force export http://apt-cyg.googlecode.com/svn/trunk/ /bin/
$ chmod +x /bin/apt-cyg
$ sed -i -e "s/md5sum/sha512sum/" /bin/apt-cyg
$ apt-cyg -m http://ftp.iij.ad.jp/pub/cygwin/ update


これで、apt-cygのインストールが完了したので、以降は

$ apt-cyg install [パッケージ名]

でパッケージのインストールができるようになります。

次に、必要なパッケージをインストールします。以下のコマンドを実行してください。

$ apt-cyg install autoconf
$ apt-cyg install binutils
$ apt-cyg install bison
$ apt-cyg install flex
$ apt-cyg install gcc-core
$ apt-cyg install gcc-g++
$ apt-cyg install libstdc++6-devel
$ apt-cyg install make
$ apt-cyg install patchutils


最後に、Windows環境でエラーが出ないようにおまじないをかけます。以下のコマンドを実行してください。

$ export LANG=C




これでCygwin用のパッケージのインストールは完了です。



3.MeCabのインストール

次に、形態素解析ソフトのMeCabをインストールします。

まずは必要なパッケージをインストールするために、以下のコマンドを実行してください。

$ apt-cyg install expat
$ apt-cyg install gettext
$ apt-cyg install gettext-devel
$ apt-cyg install libtool


パッケージがインストールできたら、以下のコマンドを実行してMeCabをインストールします。

$ cd /usr/src
$ wget http://mecab.googlecode.com/files/mecab-0.98.tar.gz
$ tar zxvf mecab-0.98.tar.gz
$ cd mecab-0.98
$ ./configure --with-charset=EUC-JP CPPFLAGS=-DNOMINMAX LIBS=-liconv
$ make
$ make install


次に、MeCabの解析用の辞書をインストールするために、以下のコマンドを実行してください。

$ cd /usr/src
$ wget http://mecab.googlecode.com/files/mecab-ipadic-2.7.0-20070801.tar.gz
$ tar zxvf mecab-ipadic-2.7.0-20070801.tar.gz
$ cd mecab-ipadic-2.7.0-20070801
$ ./configure --with-charset=EUC-JP
$ make
$ make install
$ mkdir /var/lib/mecab
$ cp -r /usr/local/lib/mecab/dic /var/lib/mecab/dic



これでMeCabのインストールは完了です。



4.KAKASIのインストール

次に、漢字→ひらがな変換ソフトのKAKASIをインストールします。

インストールするために以下のコマンドを実行してください。

$ cd /usr/src
$ wget http://kakasi.namazu.org/stable/kakasi-2.3.6.tar.gz
$ tar zxvf kakasi-2.3.6.tar.gz
$ cd kakasi-2.3.6
$ ./configure
$ make
$ make install



これでKAKASIのインストールは完了です。

5.MkXTBWikiplexusのインストール

最後に、MkXTBWikiplexusのインストールを行います(厳密にはインストールではなくコンパイルですが)。

まず、必要なパッケージをインストールするために、以下のコマンドを実行してください。

$ apt-cyg install libxml2-devel


パッケージがインストールできたら、インストール(コンパイル)するために以下のコマンドを実行してください。

$ cd /cygdrive/c/MkXTBWikiplexus/build.unix
$ make




これでMkXTBWikiplexusのインストール(コンパイル)は完了です。

全工程を完了したら、こちらの記事を参照してWikipediaのデータの変換を行ってください。


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